上顎洞底挙上術・ワイド ショートインプラント
治療前・治療後
治療前(Before)
治療後(After)
症例概要
治療内容
左上の被せ物が外れたことをきっかけに来院されました。左上奥歯の欠損部については、他院でインプラント治療は難しいと言われていましたが、患者様は入れ歯の違和感が強く、可能であればインプラントによる治療を希望されていました。
CT撮影を行い、左上欠損部の骨の状態を立体的に確認しました。インプラントを埋入するための骨幅は確保されていましたが、上顎洞までの骨の厚みは約2〜5mmと少なく、骨質も軟らかい状態でした。
診査結果をもとに、デンサーバーを用いた骨の圧縮と上顎洞底挙上術を併用し、2本のインプラントを埋入する治療計画を立てました。
上顎洞底挙上術を併用して2本のインプラントを埋入
上顎の奥歯部分は、上顎洞と呼ばれる空洞があるため、インプラントを埋入するために必要な骨の厚みが不足していることがあります。
本症例では、デンサーバーを用いて周囲の骨を圧縮しながらインプラント埋入部を形成し、同時に上顎洞底挙上術を行いました。
さらに、限られた骨の厚みに対応するため、直径が広く長さを抑えたワイド・ショートインプラントを選択しました。骨との接触面積の確保を考慮しながら、2本のインプラントを同日に埋入しています。
初期安定を確認し、仮歯の装着時期を調整
2本のインプラントのうち1本は、手術直後の初期安定がやや弱い状態でした。また、患者様の噛む力や舌から加わる力も強かったため、インプラントへ過度な力が加わることを避ける目的で、手術当日の仮歯装着は行いませんでした。
手術時にはヒーリングキャップを装着して終了し、その後、定期的に治癒状態を確認しました。
約1ヶ月半後にISQ値を測定し、インプラントと骨との結合状態を確認しました。数値の上昇が確認できたため仮歯による治療へ進む計画としましたが、患者様のお仕事の都合により、実際の仮歯装着は手術から12週後となりました。
仮歯で噛み合わせを確認してから最終的な被せ物を製作
長期間歯がなかった部位に新しく歯が入ったため、仮歯を装着した当初は頬を噛んでしまうことがありました。その後、約1ヶ月間仮歯を使用していただき、噛み合わせや使用感を確認しました。
問題なく噛める状態になったことを確認したうえで、最終的な上部構造(被せ物)の型取りを行い、手術から19週後に上部構造を装着して治療を完了しました。
治療の流れ・通院回数
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初診・CT撮影
口腔内の状態を確認し、CT撮影を行いました。 -
治療説明・ガイドの型取り
CTによる診断結果と治療計画をご説明し、コンピューターガイド作製のための型取りを行いました。 -
インプラント埋入手術・上顎洞底挙上術
上顎洞底挙上術を併用し、左上臼歯部へ2本のインプラントを埋入しました。 -
翌日
手術部位の経過を確認しました。 -
1週後
経過観察を行い、一部を抜糸しました。 -
2週後
経過観察を行い、残りの抜糸を行いました。 -
4週後
インプラント埋入部の経過を確認しました。 -
6週後
ISQ測定を行い、インプラントと骨との結合状態を確認しました。 -
12週後
患者様のお仕事の都合に合わせて仮歯を装着しました。 -
16週後
仮歯での噛み合わせや使用状態を確認し、上部構造(被せ物)の型取りを行いました。 -
19週後
最終的な上部構造を装着しました。
通院期間:約5ヶ月
※インプラント手前の歯の被せ物については、別日に担当医が治療を行っています。
治療費
700,000円
200,000円
110,000円
1,010,000円(税別)
※本症例の治療時点における費用です。必要となる治療内容や費用は、患者様のお口の状態によって異なります。
この治療方法のメリット
- 上顎洞までの骨の厚みが少ない場合でも、上顎洞底挙上術を併用することでインプラント治療を検討できる場合があります。
- 患者様のお口の状態に適した場合には、取り外し式の入れ歯を使用せず、固定式のインプラントによる歯の回復を目指すことができます。
- デンサーバーを使用して周囲骨を圧縮しながら埋入部を形成することで、骨質や骨量を考慮したインプラント埋入を行うことができます。
- ワイド・ショートインプラントを使用することで、限られた骨の厚みに配慮しながら、骨との接触面積の確保を考慮した治療計画を立てることができます。
- 2本のインプラント埋入と上顎洞底挙上術を同日に行うことで、適応条件を満たす場合には外科処置を集約することができます。
- 仮歯を使用して噛み合わせや使用感を確認したうえで、最終的な上部構造を製作することができます。
治療に伴うリスク・副作用
- インプラント手術後に、痛み、腫れ、出血、内出血などが生じることがあります。
- 上顎洞底挙上術では、上顎洞粘膜が損傷・穿孔する場合があります。
- 術後に上顎洞周囲の炎症や感染、副鼻腔炎などが生じる場合があります。
- 骨の量や骨質によっては十分な初期安定が得られず、仮歯の装着時期を遅らせる場合があります。
- インプラントと骨が十分に結合しない場合には、再治療やインプラントの撤去が必要になることがあります。
- 噛む力が強い場合には、インプラントや上部構造に大きな負担がかかり、被せ物の破損やスクリューの緩みなどが生じる場合があります。
- 治療後に歯肉の退縮などが生じ、歯の形や見た目に変化が生じる場合があります。
- 治療後もインプラント周囲炎などを予防するため、定期的なメインテナンスが必要です。
症例について
掲載している内容は一例であり、すべての患者様に同様の治療結果を保証するものではありません。インプラント治療の適応や治療方法は、歯・歯肉・骨の状態、噛み合わせ、全身状態などによって異なります。実際の治療については診査・診断を行ったうえでご提案します。





